十日町友禅工房 見学

今回は新潟県十日町市で手書き友禅をされている工房に伺いました。

当店で展示されている作品がどのような現場で作られているのか。どんな思いが込められているのか。想像しながら見ていただければ幸いです。



ご案内いただくのは当店にも来ていただいたことのある手描き友禅ブランド、LINDOの越村透さん。親子二代で作品作りをされています。見学の行程は名古屋帯を見本に

1、図案 2、下書き 3、輪郭線そめ 4、のり伏せ 5、地染め 6、手描き 

となります。実際の行程には蒸しやのり落としなど細かい作業があります。


まず見せていただいたのは街から車で20分ほどのところにある、山に囲まれた一軒の大きな建物。2階が板場になっています。こちらでは3番と4番の輪郭線染めとのり伏せを見せていただきました。

生地を広げて染めるため、13mまっすぐに伸ばせる広さになっています。

伺った時は7月の初旬。気温は35度を超えていましたが、冷房設備は扇風機のみ。湿度や温度で同じ色でも出方が変わってしまうため、自然の温度でやってこられたそう。しかし最近の気温は異常で中は蒸し風呂状態。クーラーなども検討したがこの広さをカバーするには設備代や電気代などのコストが上がり過ぎてしまって導入はできないとのこと。

そんな環境の中でも職人さんの技術によって変わらぬ繊細さで行われていきます。

こちらは帯のお太鼓の柄を染めるところ。輪郭の線画を染めていきます。型に糊に染料を混ぜたものでムラや滲みがでないようにします。

白生地に染めたところ。


次に地染め(全体の色)をした際に柄の部分だけ染まらないように糊で防染します。

先ほどの柄と寸分違わぬように型を合わせ、均一になるよう糊をひいていきます。

そして地染めを行なっていきます。

工程は作品によって異なり、先に柄を描いて防染し地染めをすることもあります。

出来上がった生地は、LINDOさんのアトリエで職人さんの手により友禅が描かれていきます。

型染めと違い、さまざまな色を使用していきます。特にこちらの工房では一般的な作品よりも色数が多く繊細に描き分けられています。

こうして一つの名古屋帯が出来上がります。

LINDOさんの作品は古典的なテーマのものから、動物が愛らしく描かれるポップなものなど多岐に渡ります。中にはほかのメーカーさんではみたことがないものもあります。


作品のご紹介(現在では制作していないものもあります)


ちとせや呉服店

1927年 昭和2年創業、100周年を目前に2021年末に心機一転リニューアルオープン致しました。”ちとせや呉服店”で御座います。 呉服屋は、そこに住むお客様にとっていつまでも安心してご利用できる場所でなければならない。その想いから、お客様の人生に長く寄り添える店づくりを目指してきました。創業して95年、おかげさまで沢山のお客様の人生に関わらせていただいてまいりました。

0コメント

  • 1000 / 1000